2016年5月7日土曜日

スマートキー


やっと、自動ミラー格納が実装された911シリーズですが、一方で、PCMにAppleCarPlayなどを載せてくるところを見ると、別にITを敬遠している訳ではなさそうです(笑)。

スマートキー


ところで、我が家のもう一台のレクサス(NX)には、キーらしいキーがありません。これは世界的にそうなっているんだと思いますが、いわゆる「キーレスエントリー、キーレスゴー」です。キーを身に着けてさえいれば、ドアも開くしエンジンもかかるというヤツです。


そんな訳で、このキーがキー(=鍵)の格好をしている必要は無いので、トヨタなどはこの様な完全にカードを標準でつけてきます。これをポケットに入れておけば、あるいは、財布に入れておけば「キーレスエントリー、キーレスゴー」が実現できます。これらを総称して「スマートキー」などと呼んでいます。

ボルボの報道発表





オーナーはスマホにアプリをダウンロードして認証しておけば、スマホが鍵の代わりになるわけですね。スマホと車はBluetoothなどの規格で通信しますから、上述のカードキーとスマホが同じ役割を果たします。もう、これは時代の流れでしょうね。早晩、どのメーカーも実装してくると思います。

ポルシェのキーはスマートキーなのか


さて、991-2型カレラSですが、発注の段階でメーカーオプションとして、キーレスエントリーを選ぶことができました。しかし、私は遠慮しました。理由は明快です。「全く、スマートじゃないから」です。最低でも、レクサスのスマートキーをイメージしていましたが、結局はこのキーなんですよね。


でもって、何か、キーレスなのかと言うと、このキーのボタンを押さなくてもロックが空くという事だけです。エンジンをかけるには、結局のところ、このキーを「挿して、回す」動作が必要になります。最近の若い子たちは、テレビのチャンネルを「回す」ことや、電話の番号を「回す」ことを知らないんですけど、このキーを回してセルモーターを回すという動作は、そろそろ古典的な動作になると思います。

儀式と回顧主義とマニア度


しかし、冷静になって考えると、ポルシェだって、スマートキーを実装するくらい訳無いんですよね。じゃ、なぜ、回させるのか。多分、セルモーターを回す「儀式」を哲学として重要視しているんだと思います。というのが、IT屋の私でさえ、納車されたばかりのカレラSに乗って、このキーを回す瞬間が「たまらなく気持ち良い」んです。セルモーターが回って、そして、エンジンが爆音とともに吼えるという一連のプロセスです。これは、マニア的な回顧主義でありますが、一種の儀式とも受け取れます。本当に気持ちが良いです。

3割が歯医者という統計


つまり、ポルシェは特に911シリーズが熱狂的なマニアにおいて支えられていることを良く知っているんです。15年ほど前に、ポルシェ・ジャパンの某エグゼクティブから聞いた話では、当時の911のユーザーの内、なんと、実に3割が「歯医者」だというデータがあると。歯医者さんは手が器用で、実際の作業は彫刻と同じですよね。つまり、エンジニアタイプが多い訳です。となれば、早計にスマートキーを導入するのはいかがなものかと思うわけです。そして、綿密なマーケティングの結果、スマートキーを導入しないポルシェの姿勢に拍手を送りたいと思ったりもします。

では、また!

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