2016年4月28日木曜日

991-2 カレラS PDK 納車です!



という訳で、初の完全フルオーダーでの納車となりました。


991-2カレラS PDK GTシルバー


もう、写真は見飽きましたね。
といったところで、こっぱずかしい「納車式」を終えて(レクサスの納車式よりはマシでしたがw)ちょっと走って帰っただけですんで、走行距離は50キロ弱。あまりインプレッション的な事はないのですが、今回は納車報告とちょっとした雑感を。

例の全幅問題はコレだ!



車検対応パーツのために全幅増加

写真が上下逆になっていますが、後輪が305の30扁平になったもんで、ちょっと飛び出ちゃっていたんでしょうね。ご存知のとおり、日本の車検はなぜかこれを許さないんで、日本独自にこの後付パーツがついているんです。なので、公式資料ですと、全幅は1808mmになっているんですが、ディーラーでは1835mmと言っているんですね。これ車庫証明的には重要な話し。前の997が入っていた車庫は1850mm。全長は伸びたものの、全幅は一緒だと公式発表だったんで、そのつもりでいましたが、危なかったです。そのためのポルシェ・ジャパンなんですから、ちゃんとやってもらいたいものです。

外装と内装


以前、スペックのところで詳しく触れましたが、この外装色は「GTシルバー」です。991-1まではこの色は特別色で、確か、60万円くらいの費用がかかりましたが、991-2からは通常のメタリックペイントに「格下げ」になりましたので、25万円くらいの費用です。多分、世の中にGTシルバーが溢れると思います。とても良い色ですね。





内装は、ローズレッドです。レザーPKGオプションをつけたので、本来はウレタンのはずのところがすべてレザーになっており、以前乗っていた997よりも高級感が出ました。このレザーPKGは確か70万円ちょっとだと思います。

加えて、ステアリングはGTステアリングをオプションでつけています。通常のステアリングより一回り小さくなります。その代わり、通常のステアリングの中にあるオーディオなどのボタン類はセンターコンソールだけになります。

改めて音を聞いてみる


ディーラーのセール氏から「爆音ですからね」と言われていました。それを聞いていながら、スポーツエグゾースト(通常は左右2本ずつ4本出しですがコレをつけると中央に2本出しになります)を付けちゃったものだから、




コレ本当に「爆音」でした(笑)
ただ、ドアを閉めれば、気持ちよいサウンドと言えると思います。先日の試乗の時はまったく気にならなかったのですが、例のツインターボの過給の音が「キューン」と聞こえます。これも、後期型からの大きな違いですね。

PDKはコナレタか


先日まで乗っていた997カレラSは、PDKが最初に導入されたジェネレーションの911です。無論、電光石火の変速や、変速ショックの無い感じは、トルコンATとさほど変わらず乗り心地が良いのですが、超低速域でのギクシャク感が気になっていました。今回改善されたかな、と期待していたのですが、まぁ、ちょっと良くなったという感じで、ショックは全く無いのですが、スピードが落ちてきてクラッチを切る際に、まだ若干音がしますね。スポーツカー用のミッションでしょうから、全く問題ないのですが、VWのDSGやBMWのDTCなどを経験すると、もうちょっと、という感じがします。しかし、アップシフト、ダウンシフトともに、かなりのレベルで調教されていて、驚きました。

コースティング機能


991-1からコースティング機能(セーリング機能)が付きました。私は991-1に乗っていないのでこれを体験した事が無いのですが、高速などの場合のみかと思っていたら、結構都心の状況でも早目にクラッチを切ってくれます。あれ、と思うと、回転数計がアイドリングに落ちちゃっている事が何度もありました。停止する体制に入った時の最終段階くらいには、すでに、コースティング機能が働いていて、さらに、完全停止する前にアイドリングストップが動いてエンジンがおちます。かなり細かい制御だなと関心しました。はやく高速でのコースティング機能を試したいところです。

足回りと乗り心地


911に乗り心地を求めちゃいけませんが、ビックリしました。乗り心地、抜群です。また、スポーツクロノのマッピングも、ノーマルとスポーツではいずれもPASMが作動しなく、足がしなやかなままです。なので、ちょっとキビキビ走りたい場合は、都心の下道でも、積極的にスポーツモードが使える様になりました。これは嬉しいです。無論、スポーツ+モードは、PASMが稼動して、足もエンジンもサーキット仕様になります。そういう意味では、サーキットにゆったり行って、本気で攻めて、ゆっくりゆったり帰ってくるみたいな事が普通にできちゃいますね。

ブレーキの変化


まぁ、まだ50キロしか乗っていないわけでわかりませんが、いままで乗ってきた911シリーズは、共通してブレーキが「踏めば踏んだだけ効く」という性質のものでした。もちろん、PCCBを付けなくても、かなり効くブレーキでした。今回のブレーキは、まだ高速域は試していないものの、いわゆる「立ち上がりが早い」ブレーキ特性になっていて、これはこれでとても良いですね。

AppleCarPlay


さて、コイツです。991-2から標準になりました。私はスマホを2台持ちしていて、1台はAndroidで通話用、もう一台がiPhone6sで通話以外のすべて用です。ですから、今までの997でも、今でも家族車として乗っているレクサスでも、iPhoneをUSBで接続しiPodとして使いながら充電し、AndroidをBluetoothで接続し通話するという使い方をしています。今回も、試行錯誤の末、この状態まで持っていけたのですが、今日の時点では、せっかくのiPhoneなのでという事でiPhoneをCarPlayに接続すると、通話が強制的にiPhoneになってしまい、通話機能だけBluetooth経由でAndroidにつなげることができていないのです。ディーラーのセールス氏も「この問い合わせはかなり多いです」とのこと。じゃ、解決せよ、と思うわけですがw仕様としてはできるはずです。Appleのサイトでもこの解決法を見つけることができていません。これができれば、通話だけはAndroidでBTで行い、その他はCarPlayにつなぐことで、iPod利用のみならず、多くのアプリを画面で見ることができるようになります。絶対、実現したく、ちょっとがんばってみますね。

と、まだ50キロなので、雑感としてはこんなものです。順次、このブログで報告していきたいと思っています。


それでは、また!

2016年4月24日日曜日

(回想)997カレラS PDK(並行車)が売れました。


みなさん、こんにちは。
さて、991-2カレラSの納車が秒読みになりました。
約5年前に中古並行で買った997カレラS(PDK)がめでたく売却できましたので回想録を記しておきます。

後期型のタイミングで乗り換える


2009年式の997カレラS(PDK)は、その前の996後期型(MT)からの乗り換えでした。後期型で乗り換えるというのがポルシェ乗りになってから続けているコトです。というのが911シリーズは後期型で大きな変更が加えられます。997後期型では、エンジンが直噴になり、また、トルコンATのティプトロがPDKになっています。トルコン嫌いの私は、それまでMTで乗ってきましたがPDKのタイミングで、ツーペダルに変更しました。同様に991後期型ではダウンサイジング(ポルシェの言うところのライトサイジング)ターボ化が一番のトピックですしね。

幾らで買って幾らで売ったのか


さて、997は並行中古というかなりアグレッシブな買い方をしました。というのが、この時のドル円のレートは今から考えると異常な円高にありました。1ドル80円くらいです。これでは、日本国内の新車を買うのはバカらしくなってしまいます。多くのポルシェ乗りは、そもそもの玉数が多く、値段も安い北米のポルシェを並行で持ってきました。これが俗に言う「円高ポルシェ」です。

私は2万キロ弱ほど乗った997カレラSを西海岸から輸入しました。中古並行ですね。米国内での陸送に加えて、海上輸送、車検や届出、電装系のローカライズなどで120万円程度。ここまで込みで乗り出し約800弱でした。結構な徳をしていますよね。

その車を約5年で4.5万キロまで乗って、最終的には600万円で売れました。差額200万円弱。やー、本当に、ポルシェのリセールバリューには驚くばかりです。


故障はあったのか


その997カレラSですが、この5年間、実は、「故障無し」で乗れました。維持費は、タイヤ交換と年1回のオイル交換、及び、2回のバッテリー交換だけです。ポルシェ、特に911のタイヤは高そうですが、草レースで人気のクムホタイヤを使いましたので、そこもコストがかかっていません。(多分、欧州のNタイヤの1/3程度です)。その昔、イタリアポンコツスポーツカーを乗り継いだ身としては、さすがのドイツ製としか言いようがありません。初のPDKだったので、ちょっと心配でしたが、(前にも書いたとおり、低速域で結構ガタピシャするので)杞憂に終わりました。以前、15万キロのメルセデスEクラス(W211)でロングドライブをした事があったのですが、極端な話、新車です、と言われてもわからないくらい、品質が良かったです。まだ、日本メーカーが見習うことが残っているとすれば、この辺りなんではないでしょうかね。

5年間本当に快調なエンジンでした


4.5万キロ乗っても、サスペンションもしっかりしているし、オイル交換だけで(ATFはPDKの推奨が14万キロだから交換無し)エンジンも超快調でした。売却する寸前も、某ワインディングでスポーツクロノをスポーツ+にして、攻め込みましたが、まったくヘタレ感はなく気持ちよったです。

991-2も新車並行でよかったのではないか


一時、125円くらいまで行った円安も、今は円高基調なので、今回も米国からの新車並行でよかったのではないかという議論はあったのですが、結局はエグゼットが問題だったので、正規ルート(ディーラー)で購入することになりました。なんだかんだ、難癖付くんですよね、売る時に。まぁ、安く買ってるから良いと言えば良いんですが。ディーラーで買っておけば、次の乗り換えの時も下取りで交渉は聞きますし、ちょっとケチって後で損するより良いかな、というのが今回の判断でした。(実際は損をしていませんが、売るときに色々苦労するという意味です)。

さて、991-2カレラSの納車まで秒読みです。次回は本当の本当に納車後のインプレッションをお伝えします。

ではまた!

2016年4月17日日曜日

番外:マクラーレン570S試乗の雑感



こんにちは。911以外のことを書くのはやめようと思っていたのですが、先日ディーラー繋がりで「是非570Sに試乗を」という事だったので1時間ほど車を借りて首都高を含む都内を走ってきたので雑感を報告します。あまりこの辺の事を詳しく書くと、分かる人には分かってしまうので詳細省きますね^^;



570S


念のため、570Sはコレです。マクラーレンのエントリーモデルの内の一つです。911と比べると派手ですね。多分、フェラーリより目立つんじゃないでしょうか。


12Cと比べてどうか


以前、12Cがローンチした時にもお呼ばれして、1時間ほど乗り回した経験があります。その時の印象が実はあまり良くなかったんですね。例えば、ターボラグ。今の車とは思えないほどターボラグが目立ちました。ゆえに、下の方が扱いずらい感じを引きずってました。その印象のまま、570Sに乗ってみると、まったく別ものでした。ターボとは思えないほど良く回るエンジンで、もちろんターボラグなんて感じることはありません。


12C

だいぶ洗練された感じがしました。
加えて、カーボンモノコックのバスタブが乗り易くなりました。いわゆる、乗り降りで「よっこいしょ」とまたぐ感じはなくなっています。これもエントリーモデル故の改良点でしょう。8cmほど低くなったそうです。で、関心したのが、本当に乗り易いということ。都内の渋滞路でも普通に乗れますし、ロボタイズドMTも極めて優秀でトルコンATと遜色ない感じです。それでいて、空いている首都高とぶっ飛ばすと、ちゃんとシャーシー感は出ますし、足も締まって安心して乗れます。これは、相当のupdateがされているな、という感じでした。

911と比べてどうなのか


やー、本当に乗り易いなと思うんですが、GTカーとは言えない感じがしますね。まぁ、見た目にも違いますから。そういう意味では、普通乗りにもサーキットにも使えるという切り口では、当然、911の方に分があるということは明確です。


570S

1時間の都内と首都高(幸運にも首都高は空いていたので結構な速度域で色々試せました)の試乗を終えて、帰り道、自分の997カレラSに乗って思ったんですが、スポーツ走行も含めてカレラSで十分だなと(笑)

費用と性能と見栄と


結局のところ、納車間近の991-2カレラSは乗り出しで1800万円程度。比べて、570Sは車両本体価格で2600万円。乗り出しで3000万円みてくださいというのがセールス氏の言葉。つまり、「同じじゃん」と感じたカレラSとの対比で言うと1200万円のエクストラです。この2台の比較が正しいかどうかは別ですが、いくらカーボンバスタブだとか、派手なエクステリアだとか言っても、1200万円は正当化できないなというのが率直なところです。

他方、フェラーリを見てみると、カリフォルニアTと同等の値段ですね。カリフォルニアTにも試乗済みですが、この2台だったら、570Sを選びます。というのが、570Sの方が質実剛健でスポーツ走行に向いているからです。フェラーリはスポーツカーというか工芸品ですからね。もちろん、488辺りと比較すればそれはもう違うと思うんですが。

あと重要なのは見栄ですよね(笑)。「俺はマクラーレンに乗ってる」というのと「フェラーリに乗ってる」というのでは、まぁ、一般的にフェラーリの方が記号化しているわけで。ただ、知らない人が外から見たら、マクラーレンだかフェラーリだかはわからないと思うし、いずれも、派手なスポーツカーには変わらないのかなと。

従って、そういう意味で言えば、このマクラーレンのエントリーモデル(スポーツシリーズといいます)はある程度勝負できるのかな、とも思いました。

無論、ムヤミヤタラにお金があれば570Sという選択肢はあるんですが、2シータースポーツという切り口で言えば、ここのところ、718ボクスターが鮮烈なデビューをしちゃしましたね。こっちは、600-800万円くらいでオープンエアも楽しめちゃう。多分、PCCBなどを含めていろいろ付けてもSモデルで1000万円は切れる感じ。となると、こっちの方が気兼ねなく楽しめるんじゃないの、と思ってしまう訳です。

ところで、1000万円の頭金という前提で見積りを作ってみました。1.9%のローンで120回のコースがありました。120回ローンは、アストンとかアルピナ辺りも導入しています。本当にそんなに価値があるかどうかは別にして、1000万円突っ込んで、エグゼットを考えなければ、とりあえず所有して乗れることだけは確認しました。まー、だから何だという話ですけど。

それと、この下に本当のエントリーモデルとして540Cがありますが、540Cに色々とオプションをくっつけると、570Sとあまり変わらない見積りになります。120回ローンを使うなら、迷わず、570Sですね。

という訳で、以上、雑感でした。

では、また!

2016年4月11日月曜日

ポルシェ公式ウェブサイトの数値が間違っています



納車前の打合せをしにディーラーへ行ったときに分かった事なんですが、とても大事な事実なのでこちらにも書いておきますね。
なんと、カレラ及びカレラSの全幅ですが、公式ウェブサイトの数値が間違っています。
この投稿している現在でもまだ修正されていません。

という事で、念のため、魚拓を。





サイトの公式情報によると、全幅は「1,810mm」となっています。私は現在、997後期に乗っているので、ほぼ一緒です。なので、安心していたのですが、実は「1,835mm」が正しい数値のこと。しかも、991-2型から、リアフェンダーからタイヤが飛び出しちゃうってことで、車検対策のプラスチックパーツがくっつけられています。(これは、欧州車ではよくある事ですが)。このパーツの端から端で1,835mmだそうです。数ミリの事にうるさく言う車検制度もわけわからんので、そろそろやめて欲しいですが。それより、閉じ込め防止のハンマーの取り付けを義務付けるとか、意味ある事をやって欲しい限り。

全幅を間違えるってのは致命的で、これ買った後で、車庫証明が取れませんとか、車庫に入りませんってことがあり得ますよね。私の車庫の機械式パレットは全幅が1,850mmなんで、問題ないですが。いやはや、こんな事もあるのですね。

各社スポーツカーが大きくなっている昨今、ポルシェも例外ではないですが、そこは何とか、そろそろ止まって欲しいです。

では、また!

新旧PDKの雑感


納車まで次のポストはしないと言いながら、ちょっと思ったことがあるので書き足しておきたいと思います。

ロボタイズドMTトランスミッション


いわゆる「PDK」は「ロボタイズドMTトランスミッション」に分類されるミッションです。世の中にはシングルクラッチのものやダブルクラッチのものなどありますが、ポルシェはダブルクラッチのロボタイズドミッションです。997後期型でPDKは導入されました。それまではオーソドックスなトルコンAT(ティプトロニック)でした。個人的に、トルコンATの車はスポーツカーにあらず、と思っていたので、996までは6速のMTで乗ってました。しかし、PDKが導入され、どうやら、プロのレーシングドライバーがマニュアル操作するよりもダウンシフトもアップシフトも素早いとされ、コンピュータ時代の到来だなーと思うと同時に、であれば、何も、クラッチを踏む必要も無いな、と思い、997後期からPDKで乗っています。今回、991-2のPDKに乗ってみて、初期のPDK、つまり997後期のPDKと違いが体感できるかどうかいろいろとやってみたので報告します。納車後は長期レポートをする予定です。

997後期型のPDK


初期のPDKは、やはり初期だけあって、多少ギクシャクするものでした。ただ、しっかりスピードが乗ってくれば全く問題はなく、電光石火でダウンシフト、アップシフトが可能です。しかし、弱かったのは、「超低速域」ですね。超低速域での微妙なアクセルの開閉や、バックギアでのバックなどの時に、いわゆる「クラッチを繋ぐ」際のギクシャク感が気になっていました。また、時に、スピードを落とし、停止の寸前で、「クラッチを切る」動作の時に、切った後のクラッチがガタガタ言うような異音も気になった部分です。これらは、997後期のPDKユーザーには共通して言える点で、いずれも故障の類ではないし、走行に問題は出ないのですが、長く乗っていると気になる点ではありました。神経質になると、壊れるのではないかと冷や冷やした時期もありましたが、乗り換えの現時点で4.6万キロ、ノートラブルですから、レースで培われた技術は並大抵のものではなく、とっても頑丈なんだと思います。


991-2のPDK


で、最新のPDKですが、物凄くスムーズになりました。初期のPDKが苦手としていた、低速域での微妙なアクセルワークに対してもガタピシャせず、トルコンATの様に、つつましやかに振舞います。短い時間で色々試しましたが、急減速してスピードが極めてゼロに近くなったときの「クラッチを切る」ときのドタバタ音は健在のようでした。(詳細は、こちらも納車後に時間をかけて確かめます)。また、991-1から導入になった、ダウンシフト時の若干「演技」の入ったブリッピングも綺麗に決まり、アップシフトも電光石火です。数値としてはシフト完了までの速度が驚異的に早くなった様ですが、もはや人間が感知できるものではなく、シフト完了スピードの違いは997と991-2の区別がつきません。というか、997のPDKの時点で、もはや、人間には判読不能の域に達していますので、スペック上、それより早くなったという事で満足するしかなさそうです。





後は、やっとですが、ティプトロ由来の特殊な指シフトが完全にモデルから廃され、右が「+」で左が「-」の一般的なパドルシフトになりました。あの指シフトに拘っていたのは、いったい、何なんだと思ってしまいますが、これも安心材料のひとつですね。

ということで、PDKの新旧比較を体感できる範囲のみとなりますが、ご報告させていただきますね。いずれにせよ、納車後、長期テストはやっていくつもりでいます。

では、また!

2016年4月10日日曜日

納車直前ですが試乗してきましたよ

さて、ポルシェセンターの担当セールス氏が納車にむけた打合せがしたいということで、まさに納車直前ではありますが、991-2のカレラSを取り寄せてもらって打合せがてら試乗もしてきましたのでご報告。

気になるエグゾーストノートは?


以前もポストしましたが、991-2(後期型)で最も注目が集まっているのではダウンサイジングによりターボ化してしまったエンジンです。(ポルシェは「ライトサイジング」と言ってますね)。

試乗もせずに発注してしまったので、この点については緊張しながら色々を確認しました。まずエンジンをかけて最初に試したのが、エグゾーストノートです。室内で聞く音をiPhoneで録ったのでちょっと聞いてみてください。

エグゾーストノートはこちら(YouTube)

ちょっと分かりずらいですが、結論から言うと「合格!」です。スポーツエグゾーストのオプションを付けていると、センターコンソールにエグゾーストのボタンがあります。多分、これを押すとフラップが開いて爆音になるんですが、室内で音を聞く分には、このボタンを押した場合と押さない場合であまり違いを感じませんでした。アウディのRSシリーズなんかはやたらと強調している、アクセルを離した後に出るバックファイヤの「バババッ」という音が、フラップを空けていると良く聞こえるといったところが違いでしょうか。


ターボの感じ


次に走りです。ターボ感はまったく無いです。「ホッと」しました。12Cみたいにターボラグがあったらどうしよう、と心配していたんですが、本当にターボなのか疑うくらい、しっかり回るし、現在乗っている997カレラSと比べてもエンジンの気持ちよさは遜色なく、むしろ気持ちい感じが増していました。加えて、ターボ化の利点でもある低回転でのトルク感が相当気持ちよかった。下も上も非常にパワフルで前期型と比べて全く別モノですね。

スポーツクロノ


さて、スポーツクロノですが、今回はそのセレクターはご存知の通り、ステアリングに付きました。試乗車のステアリングは私が注文したのと同じGTステアリングで一回り小ぶりになりクイックなものでした。スポーツクロノのセレクターボタン以外のインフォテイメント系のボタンは無く、センターコンソールに移っています。




そして、PASMはカレラシリーズには標準装備です。997後期では、スポーツモードでもPASMが作動し足が固まりましたが、この辺りのロジックがちょっと変わっていて、スポーツモードではPASMが作動しません。(ひょっとすると試乗車がオプションのスポーツシャーシ装着車だったからかもしれません)。これはとってもよくて、私も現在は、場合によっては、スポーツモードの時、手動でPASMを切ることがあります。そういう意味では進化しているなと。もちろん、スポーツ+モードでは足はばっちり固まります。加えて、インディビジュアルモードも加わりました。現在乗っている997後期に比べると、もう別の車に乗っているような足のシナヤカさには驚かされました。しかし、攻めるとちゃんと足が張り付くし、RR特有のフロントの希薄さも、かなりのレベルで良くなっています。これなら、もう、4駆は必要ないんじゃないかと思うほどです。



でもって、真ん中のボタンは、最大20秒間だけその状況下で最も当該車両の能力が最大化される機構です。これを押すと、メーターの中の画面に20秒のカウントダウンが始まります。ちょっとSFっぽい感じで気分が高まります。ただ、事実としては、足が固まって、ギアも低めにホールドされる感じが20秒続くという感じです。街中ではもちろん不要ですが、高速の追い抜きで「ちょっと遊べるかも」という感じです。エクストラパワーが得られる訳ではないので、F1のKARSとは発想が全く違います。

AppleCarPlay


さて、インフォテイメント系は一新されてAppleCarPlayが導入されています。試乗なので、色々と触る時間は無かったので、この辺は、納車後に使い倒して報告しますね。





今までは、ポルシェ買ったのにクラリオンみたいながっかり感があったんですが(クラリオン製はもちろん優秀ですよw)これなら質感も十分なのかなと。iPhoneとの連携なども試してみたいと思います。

PCCB


ところで、試乗車はPCCB装着車でした。(私は今回もPCCBはパスしています)。で、実は初めてのPCCB体験だったのですが、やー、ビックリした。ブレーキ効き過ぎです。カーボンセラミックブレーキは温まるまで難しいとか聞きますが、まったくそんなことはなくって、立ち上がりと同時に効き過ぎ。サーキットだったら、これは無敵ですね。街中では、まったく不要という事がわかりました。ディーラーのセールス氏に言わせると、後ろの車が止まれなくて追突事故になるケースがあるとか。いやはや、ポルシェのブレーキの真骨頂は物凄かったです。

その他

試乗後に、納車前の打合せで、いろいろと決めましたが、納車前に日本で施工する予定だった、リア窓のフィルム貼りですが、ポルシェセンターでは、8万円も取られる事が判明。おいおい、一体、幾ら抜くんだよと。知人にやってもらうんで無しにしました。加えて、バックカメラですが、こちらは、ポルシェジャパンで、まだアフターパーツの検証が済んでいないので、納車には間に合わないことがわかりました。なので、これも延期です。

という事で、GW前の納車に決定しました。次回のポストは納車後になるかもしれませんが、お楽しみに。

では、また!

2016年4月7日木曜日

今回発注した911カレラSの概要


在庫車とオーダーメイド車




今までポルシェセンターで数台のカレラまたはカレラSを購入してきた事は前のポストでお伝えした通りです。ただ、実は過去には不満もありました。というのが、ポルシェセンターは基本、即納の在庫を抱えていることが多いようです。だから「買います!」と意思表示をした時にまず、在庫しているモデルや、あるいは現在船で日本に向かっているモデルの中から選ばせられることが多いのです。これが世に言われる「好きなポルシェが買えない」理由です。もちろん、オーダーメードをすることもできますが、だいたい発注から半年以上は待たされます。その間、預け金として総額の10%を入れっ放っしになりますから運用もできないわけで経済的に非効率ですよね。




一方で良いこともあります。私の経験では、フルモデルチェンジやフェイスリフト前には、とにかく、在庫を処分しようと必死になる傾向があります。かつて、997から991のフルモデルチェンジ前に新車で250-300万のディスカウントを提示された事もありました。モデル末期に良く出る「ブラック・エディション」みたいのが始まったら危ないサインです。現行モデルで良ければ、破格で購入できるかもしれませんね。


今回発注した911カレラSの概要




さて、前置きが長くなりましたが、前回のポストで予告した通り、今回発注した911カレラSの概要をお知らせします。
今回私はワールドプレミア前から事実上の注文を入れていましたから、納車は国内でもかなり早いほうだと思います。今、丁度、海外から戻る飛行機の中でこのブログを書いていますが、丁度滞在中の4/1には無事予定通り船が日本に入港しましたので、目下、各種手続き中だと思われます。そんな状況でも東京にカレラS(991-2型)の試乗車が無いという状態ですので、多分生産ラインとしては日本への出荷の初期だと思います。納車前には試乗車に乗れる調整をしてもらっているところです。



ボディー色



まずボディーカラーですが「GTシルバー」にしました。マニアの方は良くご存知だと思いますがこの色は代々カレラが引き継いできた重要な色です。今までは特別カラーでしたから、アディショナルで60万円近い費用を払う必要がありました。ちなみに、私は996後期のMTに乗っている時はこの色でした。残念ながらリセールでは一切評価されませんがね。でも、今回のフェイスリフトでGTシルバーが普通のメタリックカラーと同じ値段に落ちてきました。確か、アディショナルで30万弱だったと記憶しています。これはありがたい。早速、GTシルバーを選びました。





各種注目の機構



991-2からは、PASMが標準装備になりました。今まではオプションでPASMを入れてましたから、これも有難い調整です。この状態の素のカレラSにもちろんスポーツクロノパッケージを追加です。今回はスピーツ、スポーツ+、インディビジュアルなどのセレクターはセンターコンソール上ではなく、ステアリングに丸いセレクタースイッチが付きます。多分、コイツを回すことでモードの選択が可能になるはずです。でもって、この丸いセレクターの真ん中を押すと、呼称は忘れましたが、20秒間に限り、当該カレラSが最高のパフォーマンスを出すようになるという、なんともSFの様な機構がついています。F1のKERSボタンの様なものでしょう。一体公道のどこでコイツを試す必要があるのか不明ですが、追い越し等の時に使うと雰囲気が出るんですかね。よく分かりませんが、いずれにせよ、ちょっと熱くなる機構です。




次に今回の目玉としては後輪操舵機構がありました。これは先にGT3やターボが991前期型で導入しているものをちょっと角度を浅くした仕様です。何も、わざわざ壊れそうな箇所を増やす必要は無いと思ったのでこれはキャンセル。そして、段差を超える時などにフロントの車高を4cmほど上げてくれるサスですが、これも省きました。現在乗っている997(後期型)カレラSでもPASM+スポーツシャーシで3cmくらいは標準より低いのですが、ある程度気を使って運転していれば、アゴを擦ることは一度も無かったので、問題ないと判断しました。で、ミッションは、PDKです。7足のMTも気になるのですが、自分の力量でPDKより早いシフトチェンジは不可能ですから、ここは電子制御に頼ることにしましょう。997のPDKでは実現できてませんが、各社ともロボタイズドクラッチでやりはじめたダウンシフトの際のブリッピングも備わっていますから文句ないでしょう。ところで、蛇足ですが、この間、911Rが発表になりましたよね。MT仕様ですが、ああいうハードコアなシリーズに関しては、やはり、MTが面白いと思いますけどね。あと拘ったのは、スポーツエグゾーストです。前にも増して爆音だとか。(実際の音は納車後にレポートします)。標準のカレラSは今までのルールに則り、左右2本ずつの4本出しのマフラーですが、今回からは、中央によっと離れる形で少し大きなφのマフラーが2本出しになり、これがスポーツエグゾースト装着者の証です。メディア向けの海外試乗会の車やオフィシャルウェブサイトの写真などにはほとんどコレが付いてますからこのタイミングでは皆さんも見慣れていることと思います。



内装



せっかく、ゼロベースで色々選べる訳ですから、一番リセールバリューの高い黒内装ではつまらないなと。現在の997カレラSは外も中も黒ですが、ちょっと味気ないですね。そこで、ローズレッドを選びました。選んだだけではなく、レザーパッケージなるものを、確か70万円くらい追加で支払って、ダッシュボードなど本来はウレタンのところもすべてレザーにして赤くしてあります。それに加えて、アディショナルで5万円程度で、GTステアリングなるものも選びました。これは、想像通り、標準のステアリングの径を小さくした小ぶりなステアリングです。ただ、コイツを選ぶと、せっかくステアリングに配置された各種インフォテイメント系の操作ボタンがすべて無くなり、センターコンソールに移ってしまうんですよね。まぁ、でも、その代わりにかなりのクイック感が味わえるのであれば由としましょう。






また、今回からインフォテイメント系は待望のAppleCarPlayになります。iPhoneユーザには朗報です。社内WiFiも標準で、最新情報は分かりませんが、発注の段階(2015年秋)ではキャリアはソフトバンクとのことで、キャリアの費用は、3年間はポルシェセンターで持ってくれるとのことでした。そもそも、私はドコモとソフトバンクのスマホの2台持ちで、加えて、Y!モバイルのポケットWiFiを持ち歩いているのでテザリングを入れるとすでに3台のパケット通信機器を持ち歩いているので、さらに1台プラスされて4台持ちとなってしまいます。いくらパケット通信をしても月額上限に達しない感じではありますが、ちょっと多いなと。そして、サンルーフは信念で省きました。高い位置のところに重いものはつけない、という信念ですね。


その他



そもそも見積書的なものも、納車まで相当時間が経過しているので、既に紛失済みでございまして、覚えている限りで申し訳ないのですが、後は日本に来てから付けましょう的な話だったと思います。例えば、後ろ3枚の窓のブラック化です。これ、オプションのシークレットガラスを入れるとやたらと高い。日本に持ってきてからフィルムを貼れば十分でして、それだったら1-2万で済みますからね。後は、バックカメラです。バックカメラをオプションでつけるのに、30万かかるのには驚きましたよ。どんだけボッタクリなんだよと。ポルシェセンターのセールスM氏も「これは無いと思います。日本に持ってきてから付ければ5万程度ですから」と。そりゃそーでしょ。ただ、後付だと、ひょっとすると、ガイドラインが出ないかもしれないとのこと。なにせ、ベースがAppleCarPlayなのでノウハウが無さそうな感じでした。実は、私の様な中年にとってガイドラインは重要だったりするのですが、そもそも今までカレラにバックカメラはつけていませんでしたから由としましょう。ちなみに、もう一台もっているレクサスNXは、もちろん、バックカメラは標準機能です。「おもてなし」的には当たり前ですよね。そして、待望の自動可倒式ミラー。こいつも付けました。本当はデザインが格好良いターボミラーいしたかったのですが、そちらは非可倒・・・。やむなく自動可倒ミラーを選んでいます。その他、シートベールを7万円で赤または黄色にできると言うのですが、内装色は真っ赤な訳で、もう色はいいでしょ、という事で黒のまま。そしてはずせなかったのが、左右後方死角のセンサーですね。これはグッと堪えて20万ちょっと払ってオプションを付けました。これは網一台のレクサスでも同様でオプション設定しました。過去に死角の問題で何度も怖い目にあいましたので。この辺はセンサーテクノロジーに頼りましょう。後は細かい事は思い出せないのですが、ホイールはノーマルのカレラS用を選択。十分にでかくて、前が20インチで後ろが21インチだっと思います。カレラシリーズで初めて305の大台を超えてきた大型ホイールになりました。ひとつだけちょっとした拘りで、標準はセンターキャップのポルシェロゴが黒一色なのですが、数万円払ってカラーにしました。


さて、注目の総額が幾らほどか!?



991-2型カレラSの車両本体価格は1600万円弱です。北米に比べて相変わらず高い設定で納得いきませんが、仕方ないですね。上述のオプションで、総額税込みで1800万ちょっとでした。オプションだけで200万ですね。ここでは触れませんでしたが、ご存知の通り、ポルシェ、特にカレラは、吊るしの状態では、椅子のリクライニングや自動調整機能もついていません。これをつけるだけで、数十万の上の金額がかかります。今回は、馬鹿らしいので、前後については、手動のままで、背もたれと高さの調整に関しては自動化しました。こういったものも、200万の中には含まれます。そして、今回も見送りになったのが、PCCBですね。今まで一度も導入したことがありません。トンでもなく効くブレーキの様です。しかし、コイツを入れると更に100万かかります。しかも維持費も普通のブレーキよりかかりますし。今まで、普通のブレーキでFSWや袖ヶ浦で何度も酷使しながら走りこんだ経験がありましたが、フェードのフェの字も出ないくらい優秀なブレーキです。だから、PCCBは不要だなと判断しています。でも、あの黄色いキャリパーには惹かれますよね、正直。うーん、金が余ってる時に考えたいと思います。


現金で買うか、ローンで買うか、試算をしてみましょう



さて、1800万もする、場合によってはちょっとしたマンションじゃないか、みたいな値段ですが、他の欧州勢のスポーツカーと比べれば若干理解可能な値段かなと思ったりもします。さて、これをどうやって買うかについては、納車直前の今の時点で決まっていません。加えて、現在保有している、997後期型カレラSの売却も決まってません(笑)。大丈夫なのでしょうか?2016年の年始から水冷911の日本の中古マーケットはガタガタになりました。昨年秋に見積もったときよりも100万円くらい値下がり必至です。つまりマーケットが崩れなければPCCBが付けられたとも言えます。まぁ、この手の相場の話っていうのは考え始めるとキリが無いのでやめておきますが、だいたい、4.6万キロ乗った極上車で(問題は、これが北米からの並行モノということ)マーケットだと500-550万で、エンドユーザー直だと600万程度といったところです。最悪、ポルシェセンターが500万で裁いてくれるという言質をとっているので、まー、それでいいかとも思っていますが、知人のポルシェ屋が550万みたいな事も言っているので、高いほうに売ろうと思っています。で、売却の方はそういう方針なんですが、現金かローンかという事です。私は経営者なので、この辺は結構シビアです。無論、現金で買うのが一番安い訳です。しかし、何せ、ポルシェの金利は1.9%ですから、私が事業で銀行から引っ張っている金利が1.3%くらいなのであまり大差ありません。(不動産業の方は0.6%とかなんでそこから考えるとだいぶ高い感じがしますが、まー、元金が違いますからね)。で、ここで、麻薬の様な代物の「残価設定ローン」の登場です。ジャーン!ポルシェの残価は5年後で40%です。これは他の高級車、例えば、レクサス等も、白や黒の人気色であれば、40%の設定ができます。従って、例えば、現在保有の997が上手く500万で売れたとしましょう。その上で総額の40%(720万)を残価に設定する。1800-(500+720)=580万という事です。この580万を1.9%のローンで5年で割ると(金利は計算しません)月々約9.7万円です。私は機会投資的な発想をするので、1800万が一気に出て行くよりも、月々9.7万円が出て行った方が金利を勘案しても、キャッシュポジションを高く保てるため、投資機会が増えて良いお金の使い方になると思もっています。これはあくまでも試算ですが、でも、確実に残価設置をしてでもローンで買うでしょうね。


さて、第2回目はとりとめもなく、私が発注した911(991-2型)カレラSの装備と値段について書きました。多分、次のポストは納車直前に試乗車に乗った時の感想だと思います。今回の目玉は何と言ってもライトサイジングターボ化です。ターボ化によって音が悪くなっていないか、ターボラグはあるのかなどに注目してみます。いずれにせよ、試乗した数週間後には納車になりそうです。今回は一か八かで買った訳ですからね。ただただ、ポルシェの常套句である「最新は最良」を信じてね。

ではまた!